見た目年齢を一気に引き上げるほうれい線は、気がついた時にはかなり深く刻まれていることが多いですよね。
初期段階であれば解消しやすいものの、深くなったほうれい線はなかなか消えません。
ですが、消したいと思っていても放っておくと、シワはさらに深くなっていきます。
例えくっきりとしたほうれい線ができてしまっても、ケアを続けていれば改善することも可能です。
そこで今回は、ほうれい線を消したいと思っている方へ、老け顔を目立たなくさせる6つの改善法をご紹介します。
ほうれい線のメカニズムや症状をしっかり理解し、原因を取り除きながら改善法を実践して、ハリのある口元を目指しましょう。
目次
ほうれい線とは?
ほうれい線は、皮膚に線ができるためシワと思っている方も多いようです。
しかし厳密に言うと、ほうれい線はシワではなく「たるみによってできる線」なのです。
シワは、肌のハリを保つコラーゲン線維が衰えたり、ダメージによってヒアルロン酸の機能が衰えることで発生します。
ほうれい線は、皮膚がたるんでしまい、その皮膚が口元の筋肉に乗っかっている状態なのです。
そのためシワケアとは違うアプローチが必要となります。
ほうれい線とシワの見分け方
シワというのは、顔を仰向けにしても横向きにしても消えることはありません。
これは、皮膚が凹んだ部分のコラーゲンなどが機能していないからです。
ですがほうれい線は皮膚のたるみによってできる境界線ですから、仰向けになって口元に重力がかからないようにすると消えます。
もし、口元の線がシワかほうれい線か見分けがつかない場合は、顔を上に向けた状態で鏡を見てください。
顔の皮膚が頭側に引っ張られて口元の線が消えたら、シワではなくほうれい線と判断できます。
ほうれい線の原因とは
ほうれい線は、皮膚のハリと弾力を支えるコラーゲンやエラスチンなどの機能が衰えることが原因です。
しかし、同じ年齢でもほうれい線がある人とない人がいることから分かるように、ハリ弾力成分を衰えさせる原因があります。
つまり衰えの原因とほうれい線の原因はイコールなのです。
また皮膚は筋肉によっても支えられていますから、筋力の低下もほうれい線の原因となります。
ここではほうれい線の原因を一つずつ掘り下げていきます。
ほうれい線を消したい場合は、自分に当てはまる原因をすぐに取り除いていきましょう。
加齢による肌の老化
コラーゲンやエラスチンは、線維芽細胞という細胞によって合成されます。
この線維芽細胞の働きは加齢とともに衰えていくので、年を重ねるとコラーゲンなどの合成量が減少します。
つまり肌を支えるには不足してしまうため、年齢とともに皮膚がたるんでしまうのです。
また加齢はターンオーバーサイクルも遅くします。
ターンオーバーが遅くなると、線維芽細胞の働きが低下したり、コラーゲンの修復が滞るため肌老化が加速するのです。
表情筋の衰え
口元の表情筋はしゃべると動きますが、頬の表情筋は口を大きく開け閉めするなど、しっかり動かさないと鍛えられません。
若い頃は大きな口を開けて笑ったり、大声を出したりするので特に何もしなくても頬まで動かせます。
しかし、普通にしゃべるぐらいの動きしかしていないと、頬の表情筋はほとんど使わないので衰えてしまいます。
すると頬の脂肪を支えきれなくなるため、この脂肪が口元の筋肉まで垂れ下がることでほうれい線が出来てしまうのです。
姿勢の悪さ
長時間デスクワークをしていたり、スマホをいじることが多いという方は猫背になりやすいです。
猫背になると、自然と顔が前に出て下向きに傾いてしまいます。
顔が下を向いている状態が長くなれば、頬の脂肪も重力で下がってきます。
また、姿勢が悪くなると血液やリンパの流れが滞るので、顔がむくみやすくなります。
むくみはたるみを悪化させますから、余計にほうれい線ができやすくなってしまうのです。
紫外線のダメージ
地上に降り注ぐ紫外線は、波長の長いUV-Aとそれより波長が短いUV-Bの2つが主な種類になります。
UV-Bも肌にダメージを与えますが、もっとも気を付けたいのはUV-Aです。
UV-Aは波長が長いため、室内でも日差しが強いと入り込んできます。
これが肌に侵入すると、真皮層のコラーゲンやエラスチンを破壊したり、線維芽細胞の働きを低下させます。
ハリや弾力を支える成分が断ち切られれば、皮膚はたるんでしまいます。
バリア機能の低下
肌を外部の刺激から守るバリア機能は、セラミドや皮脂膜などで形成されています。
この機能が低下すると、外部の刺激がダイレクトに肌にダメージを与えます。
ダメージを受けると活性酸素が発生します。
活性酸素は、健康な細胞を攻撃してしまうため、肌のしぼみや乾燥を引き起こすのです。
このような状態では肌は弾力を保てないので、結果的に皮膚のたるみが起こります。
間違った洗顔
バリア機能を形成するセラミドや皮脂膜は、表皮の一番表部分に存在しています。
そのため、洗顔をするとほとんどが落ちてしまうので、スキンケアで機能をサポートする必要があります。
しかし間違った洗顔をしてしまうと、皮脂膜を形成する皮脂やセラミドが根こそぎ落ちてバリアも機能しなくなります。
この状態はスキンケアをしてもすぐには回復しません。
スクラブ入りの洗顔料を使ったりゴシゴシ洗ったりするなど、間違った洗顔はバリア機能を低下させるので注意しましょう。
睡眠不足
睡眠が不足すると、バリア機能の回復や修復を行う成長ホルモンの分泌量が不足します。
人によって必要な睡眠時間は異なりますが、長時間寝ても眠気が残る、朝起きるときにだるさを感じる場合は睡眠不足の可能性があります。
この状態が毎日続くと、バリア機能が正常に働けなくなります。
ほうれい線を消したい方へ効果的な6つの改善方法
ほうれい線が目立ってきたから、自己流で消したいと思いケアしたけど改善できなかったという方も多くいることでしょう。
基本的に、ほうれい線のケアは他の肌トラブルとはアプローチが異なります。
普通の肌トラブルは保湿を徹底すれば改善できます。
しかし、ほうれい線を消したい場合はプラスαの改善法を取り入れる必要があります。
ここでは、ほうれい線を消すための多角的な改善法を6つご紹介するので、自分にできるものからどんどん実践していきましょう。
口周りの緊張を取る
口周りが固まっていると、口角や頬の表情筋が動かしづらくなります。
口を大きく動かすことが少ない方は、自覚症状がなくても口周りが固くなっているので柔らかくして柔軟性を持たせることが必要となります。
あいうえおストレッチ
アナログな方法ですが、あいうえおストレッチは口周りを柔らかくするのに最適です。
やり方はとても簡単で、口を思い切り開けて、ゆっくりと「あ・い・う・え・お」と繰り返すだけです。
声は出しても出さなくてもいいので、ちょっとした隙間時間やデスクワーク中などに実践できますね。
10回を1セットにして、できるだけたくさんやるようにすると、頬もしっかり動かせるのでほうれい線を消したい場合に効果的な方法です。
頬の表情筋を鍛える
頬の表情筋が衰えている状態では、どんなにスキンケアをしてもたるみを取ることはできません。
衰えた表情筋を鍛えるには口を動かすだけではなく、頬や口周りの筋トレも必要です。
そもそも表情筋は普通の生活ではほぼ鍛えられないので、意識して筋トレを行いましょう。
変顔トレーニング
変顔をしながら顔を動かすと、普段使わない筋肉を鍛えることができます。
誰でもできる簡単なトレーニングなので、毎日の習慣にしてください。
口をぎゅっとすぼめたら、その口を上下左右あらゆる方向に思い切り動かしましょう。
最初は大きく動かせないかもしれませんが、続けていけば可動域も広くなり効率よく表情筋を鍛えられます。
割り箸を使って鍛える
奥歯を噛み締めると、口から頬にかけての筋肉が働きます。
また、フェイスラインの引き締めにもなるので、顔全体のリフトアップ効果が期待できます。
この原理を応用したのが割り箸エクササイズです。
割り箸を奥歯で加えて、ぐっと力をいれて噛みましょう。
これを1回10秒、慣れたら20秒と増やしていけば、頬周りの表情筋も引き締まっていきます。
リンパマッサージでむくみを解消
むくみも頬のたるみの原因の一つです。
特に運動不足や冷え性の方などは、血行不良によってむくみが起こりやすいので、リンパマッサージを行い解消しましょう。
顔周りのリンパ節は、耳の前のくぼみと耳の下のくぼみ、鎖骨にあります。
まずはリンパ節を押して流れをよくしてから、口角から耳に向かってリンパを流し、耳の前から首筋までマッサージをして鎖骨に流してください。
リンパマッサージの注意点
自分でリンパマッサージをする場合は、圧の強さに注意しましょう。
マッサージは力を込めるイメージがありますが、リンパはとても細いので力を入れる必要はありません。
リンパ節は痛気持ち良いぐらいの強さで押しても大丈夫ですが、リンパの流れは気持ちよく感じる強さで行います。
強くやりすぎると、痛みのせいで流れが悪くなったり、逆にリンパ管を痛めてしまうので優しくマッサージしてください。
舌回しでほうれい線を押し上げる
舌回し運動は、ほうれい線を直接押し上げてくぼみを解消するエクササイズです。
舌を前歯と歯茎の間に入れたら、円を描くように右方向から大きく回します。
この時、舌を思い切り伸ばして、ほうれい線を押し上げるようにしましょう。
口周りが凝っていると、ぼきぼき音がするかもしれませんが、これは凝りがほぐれている状態なので気にせず続けてください。
この運動を左右20回ずつやると、ほうれい線を消す効果が期待できます。
スキンケアでたるみ改善
いくらスキンケアだけでほうれい線が解消できないといっても、ケアを怠るのはNGです。
ほうれい線に必要なのは、健やかな肌細胞を作るターンオーバーの働きと潤いです。
特に、加齢によって失われやすいコラーゲンやエラスチン、セラミド、ヒアルロン酸など保湿に欠かせない成分をしっかり補給しましょう。
またハイスペックな美容成分を取り入れると、肌の内側が活性化されて弾力を取り戻すことが出来るかもしれません。
ほうれい線に効果的な成分
ほうれい線を消したい方のスキンケアでぜひ取り入れたいのがビタミンC誘導体です。
ビタミンCは、コラーゲンの合成に欠かせない成分です。
ただし分子量が大きく酸化しやすいので、そのままでは効果が得られません。
ビタミンC誘導体は、ビタミンCを安定させて分子量を小さく改良した成分なので、肌に浸透するとビタミンCと同じ働きをしてくれます。
ビタミンCは美肌効果が高いので、ビタミンC誘導体でたっぷり補給しましょう。
夏以外でも紫外線対策をする
紫外線は1年を通して降り注いでいるので、春や秋冬もしっかり紫外線対策をすることが重要です。
紫外線はコラーゲン線維を断ち切ってしまうので、たるみの解消のためにはしっかり防がなくてはいけません。
快晴の日は、家の中にいても紫外線を浴びてしまいますから油断は禁物です。
日差しの強い日はSPF値の高いもの、外出しないときは数値が低いものと使い分けて紫外線対策をしましょう。
紫外線はシミやしわなどエイジングサインの原因にもなるので、しっかり防いで健やかな状態を整えてください。
ほうれい線を消したい方へ対策のポイント
ほうれい線の原因は一つではなく、ほとんどの場合複数の原因が重なることで発生します。
よって、ほうれい線を消すための改善法を実践する場合も、いくつかの方法を組み合わせることがほうれい線を消すポイントとなります。
ほうれい線を目立たなくさせられるまでにはかなりの時間がかかります。
また、原因に即した改善法でなければ、きちんと続けても効果は出ません。
よって、取り入れやすい方法を継続的に最低でも2つは実践して、1日も早く効果を実感してください。
ほうれい線の予防法
ほうれい線は目立たなくさせることは可能ですが、厳密に言うと完全に消すことはできません。
シワでもフェイスラインの崩れでも、改善できるとしても、完璧に元通りにできないのと同じです。
そのため、ちょっと油断したりケアをサボってしまうとほうれい線は再発してしまう可能性が高いので、とにかく作らないようにすることが重要です。
「まだほうれい線はできていないから大丈夫!」という方でも、気付いたらいつの間にかほうれい線ができていたということもあります。
ですので、ほうれい線の有無に関わらず普段から予防や再発防止のためのケア方法を実践しましょう。
メイクによってクレンジングを変える
肌トラブルが起きていない方は、どんなメイクでも同じクレンジングを使っていることが多いようです。
ですが、クレンジングは肌への刺激が強いので、適当な使い方をしていると肌老化を早めることになります。
もちろんメイクはしっかり落とさなくてはいけません。
しかしナチュラルメイクだったり、ミネラルファンデーションなど落としやすいメイクなのに、クレンジング力が強いものを使うと大きな負担になります。
肌老化がすぐに起こるわけではありませんが、クレンジングで負担をかけ続けることがほうれい線を作ることになるので注意しましょう。
クレンジングの使い分け方
クレンジングは、大きく分けるとオイルタイプ、ミルクタイプ、ジェルタイプ、ポイントメイク落としの4つがあります。
濃いメイクはオイルタイプ、ナチュラルメイクはミルクタイプを使いましょう。
アイメイクやリップメイクでウォータープルーフを使っている場合は、ポイントメイク落としで落としてからクレンジングをしましょう。
ジェルタイプは中間のクレンジング力なので、オフィスメイクなど普通メイクの時に使うと良いでしょう。
正しい姿勢で猫背を防ぐ
姿勢というのは、年齢に関係なく悪い人が多いです。
今は10代でもスマホを使うので、若くてもストレートネックや猫背になっている方も少なくありません。
猫背が慢性化すると、20代でもほうれい線が出来やすくなるので要注意です。
正しい姿勢を保つのは大変ですが、常に姿勢を矯正して猫背の慢性化を防ぎましょう。
3分間で姿勢矯正
気がつくと背中が丸まっている、という場合は、すでに猫背が慢性化しています。
この状態を治すには、3分間の姿勢矯正がおすすめです。
壁に、かかととヒップの丸みの先端、肩甲骨、後頭部がきちんと触れるように立ちましょう。
視線はまっすぐ前を見て、両手は体に沿って自然に垂らします。
軽く顎を引いたら、そのままの姿勢を3分間保ってください。
単純なエクササイズですが、これを毎日続けると猫背の改善や姿勢の矯正効果が期待できます。
保湿を軽視しない
若いうちは保湿成分の合成も活発なので、肌も乾燥しにくいかもしれません。
しかし、何歳であっても肌トラブルがなくても、肌はデリケートですから保湿力のサポートが必要です。
スキンケアで保湿をサポートしてあげないと、肌には負担がかかり、修復や回復力が弱まってしまいます。
これが未来のほうれい線を作る原因にもなるので、保湿ケアを怠らないようにしましょう。
ベタつかない乳液の使い方
「乳液はベタつくから使いたくない」という方もいるかもしれません。
ですが、乳液に含まれる油分は保湿力のサポートには欠かせません。
つけ過ぎなければベタつきませんし、特に乾燥肌でなければ少量で十分保湿ケアができます。
朝は小豆大の量を手に取り、手のひらに十分広げてから、ハンドプレスでヴェールをかけるように塗りましょう。
夜は朝より少し多めにとって、同じように塗れば、ベタつきもなくきちんと保湿をサポートしてくれます。
ほうれい線を消したい方の6つの改善法まとめ
ほうれい線ができる原因はいろいろありますが、そのほとんどは日常の中に隠れています。
きちんとケアをしているのにほうれい線ができてしまったという方は、すぐに生活習慣や行動を見直し消しましょう。
中でも表情筋の衰えはほうれい線の一番の原因になります。
よって、筋力が衰えないようにスキンケア以外の対策もしっかり行っていきましょう。