緊張をほぐす方法!緊張をコントロールする13の対処法
会議や面接などで人前で話す時、緊張して頭が真っ白になったり、顔が赤くなってしまったり、震えや声がうわずってしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
緊張しているのは自分だけなのでないかと深刻に捉えてしまう人がいます。
しかし、緊張はとても多くの人の悩みですし、緊張すること自体は悪いことではありません。
しかしプレッシャーに押しつぶされて大切な場面を台無しにしてしまう事態は何としても避けたいものです。
そこで今回は、緊張をほぐ13の方法をご紹介します。
緊張をコントロールする対処法を知り、大切な勝負所を乗り切りましょう。
緊張をほぐす13の方法
さっそく緊張をほぐす方法を紹介していきます。
緊張し過ぎないように自分をコントロールするためにぜひ試してみてください。
深呼吸をする
深く呼吸するという方法は緊張した時の定番ですね。
迷信とも言われていますが、ちゃんとした根拠があります。
人は何かしらのストレスが与えられると、緊張の元となる交感神経が作用します。
そこでゆっくり深呼吸をすることにより、交感神経から副交感神経に切り替わり、リラックスした状態にすることができるのです。
深呼吸の方法
- 椅子に軽く腰掛け、肩は上げずに楽な姿勢をとりましょう。(立っていてもOK)
- 片手を脇腹の辺りに置き、もう一方の手を胸の上に置きます。
- 口を「ほ」の発音の形にすぼめ、吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時はお腹がへこんでいくことを意識しながらゆっくりと呼吸を繰り返しましょう。
深呼吸は、横隔膜が上下してお腹の中を内側からマッサージするような効果も得られるため、緊張でお腹を壊しやすい人にもオススメです。
前向きになれる言葉を唱える
前向きになれる自分なりの言葉を見つけて、口に出して唱えてみましょう。
自分が好きな言葉や尊敬している人の言葉、インターネットから拾ってきた言葉でも何でもいいです。
自分が「いいな」と思った言葉を、口に出して唱えてみてください。
口に出すことで脳は言葉の意味を読み取り、自律神経系がこれを現実化しようとするのです。
以下は前向きになれる言葉の一例です。
「失敗しても良いです。それはほんの少しの引き算にしかなりません」
「プレッシャーが人を強くする」
「勝ち負けなんか、ちっぽけなこと。大事なことは、本気だったかどうか」
書籍やインターネットなどで読んで探してみるのも楽しいですね。
緊張している自分を認める
緊張している自分に「緊張するな」や「落ち着け」などと言い聞かせても、かえって追い詰められた気持ちになってしまうものです。
緊張していると感じたら、「自分は今緊張している」と客観視して受け入れてみてください。
そしてそんな自分に対して「緊張して当たり前」と考え、「むしろこの緊張でいい結果が出せそうだ」と意識を少し変えてみましょう。
初めは少々難しいかもしれませんが、意識を変えるだけでストレスが和らいだり、緊張をうまくコントロールできるようになります。
イメージトレーニングをする
イメージトレーニングはスポーツ選手がよく行っている方法ですが、スポーツだけではなく様々な状況に応用できます。
特に面接での緊張を和らげるのにオススメしたい方法です。
イメージトレーニングを行う際のポイントは、
- 落ち着いて穏やかな気持ちでできるように集中できる環境で行うこと
- 成功した様子をイメージすること
- 可能な限り詳しく細かくイメージすること
- 実際に成功をした場合の感情をイメージすること
などが挙げられます。
軽くストレッチをする
「緊張でガチガチになる」という言葉をご存知でしょう。
緊張というのは、心につられて身体も緊張してしまうものなのです。
心の緊張がなかなか取れないという時、まずはストレッチで筋肉の緊張をほぐしていきましょう。
ストレッチといっても難しいことをする必要はありません。
手首や足首を回したり、その場で軽く足踏みをするだけでOKです。
両手を後ろで組んで、背中をぐっと反らして伸びをするのも気持ちいいですよ。
通される部屋の扉の前や舞台袖などで、ちょっとした合間に簡単に行えますし、身体の緊張がほぐされると自然と心の緊張もほぐれてきます。
また緊張して眠れない日の夜などにストレッチをするのもオススメです。
筋肉をほぐすストレッチには、安眠と疲労回復を促してくれる効果があるのです。
緊張をほぐすツボを押す
緊張している時や気持ちを落ち着かせたい時には、緊張をほぐすツボ押しで副交感神経を働かせるのも効果的です。
痛気持ちいいくらいの力で、30回くらい押してください
合谷(ごうこく)
手の甲側にあり、親指と人差し指の骨の分かれ目のやや人差し指側にあるツボです。
気持ちが落ち着き徐々に平常心を取り戻すことができるほか、全身の痛みを和らげる事から万能のツボと呼ばれています。
労宮(ろうきゅう)
手の平中央あたりにあり、手を握ると中指の先端が手の平に当たるところにあるツボです。
身体の緊張を緩和させたり気持ちを落ち着かせる作用があるほか、血行が良くなる効果も期待できます。
神門(しんもん)
手の平を上にした際、手首の横じわの小指側の少しくぼんだ場所にあるツボです。
精神的な緊張をほぐし、イライラした気分を鎮めてくれる効果が期待できます。
太陽の光を浴びる
神経伝達物質の一つである“セロトニン”は、別名・幸せホルモンと呼ばれており、精神や睡眠、体温調整に大きく関わっています。
人が幸せや心の安らぎを感じるために欠かせないこのセロトニンは、実は太陽の光を浴びるだけで活性化することができるのです。
緊張してしまう日はもちろん、日頃からできるだけ太陽の光を浴びるようにしましょう。
緊張をほぐす食品を摂る
セロトニンは太陽だけでなく、「トリプトファン」や「ビタミンB6」を摂ることで分泌の助けになります。
これらを含む食品は、肉類や魚、豆製品(納豆や大豆など)、ナッツ類などがあります。
このほかにホットミルクには休息やリラックスへ導く副交感神経に作用する効果があるため、緊張で眠れない日に飲むことをオススメします。
好きな音楽を聴く
緊張している時、時間があれば自分の好きな音楽を聞いて緊張を紛らわしてみましょう。
心理学的にみても、音楽は人の気分を高めたり落ちつけたりといった効果があることが分かっているのです。
「これが頑張る私のテーマソング!」と思える曲だとテンションも上がりますし、不安も少しは晴れます。
好きな音楽などなく曲を選ぶことができないという人は、ゆったりとしたピアノの曲や雨音や河のせせらぎといった自然の環境音を聞いてみましょう。
特に環境音には「1/fゆらぎ」という人の気分を落ち着けてリラックスさせる効果のあるリズムが入っています。
これをうまく利用して、緊張した心を落ちつけてみてください。
おもしろ動画や画像を見る
緊張しそうな時に、おもしろ動画や画像などを見て笑うと副交感神経が優位になります。
そして交感神経とのスイッチが頻繁に切り替わることで自律神経のバランスが整い、肩の力がうまく抜けて緊張緩和につながるのです。
「笑い」は脳がリラックスする効果をもたらすほか、意志や理性をつかさどる大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になるとも言われています。
また可愛い画像や動画を見ることも緊張をほぐすのに一役買ってくれます。
可愛い画像や動画を見るとオキシトシンという別名「癒しホルモン」が分泌され、恐怖心や逃げ出したくなる欲求を減少させて人を幸福感で満たす作用があるのです。
不安の種を人に打ち明けてみる
不安で気がかりなことを誰かに聞いて貰うのも一つの手です。
どのようなことで緊張しているのか、どんな点を不安に思っているのか、どんな事態になるのを恐れているのかなど思っていることを打ち明けてみましょう。
話すだけで気が晴れますし、人の意見を聞けば自分の緊張がたいしたことではないと気づかされることがあったり、緊張を打破するようなアドバイスを教えてもらうことがあります。
ただし人によっては逆に不安を煽られるだけの結果になることもあるため、打ち明けるなら心から信頼できる人を選んでください。
養成所に通う
俳優や声優などの人材を育成する養成所があります。
自分をコントロールして緊張を和らげる方法を身につけるため、養成所に通うことはとても効果的です。
もし演技などに少しでも興味を持っているのであれば、自分を変えるきっかけとして足を運んでみてはいかがでしょうか。
初めは緊張で何もできなくても、同じ境遇の友達と話したりレッスンを通じて緊張とうまく向き合うことができるようになるはずです。
病院に行く
緊張がどうしても緩和されない、強いあがり症や対人恐怖症などがある場合は、病院に行くことも一つの方法です。
心療内科などで行う治療方法に行動療法というものがあります。
行動療法は、苦手なシチュエーションにあえて身を置くことで少しずつ克服していくという方法になります。
苦手な状況に自分を晒すことになるので少々荒いように感じるかもしれませんが、最終的に目標に辿り着いた時、思っていたよりも意外と大丈夫だったと思う人が多いそうです。
この他に薬による治療方法もあります。
薬と聞くと抵抗を感じる人が多いかもしれませんが、身体の強張りを緩め、緊張や不安などの症状を改善してくれるほか不眠症にも効果があります。
ただしあまり薬を服用しすぎると薬への依存が強くなってしまう恐れなどがあるため、重度の緊張感を持っている人以外はできるだけ服用は控えましょう。
緊張する原因
人はなぜ大切な場面で緊張してしまうのでしょうか?
人間の身体には、「自律神経」と呼ばれる機能が備わっています。
自律神経は循環器や呼吸器などの活動を調整するためにずっと働き続けている神経で、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と安静時や夜に活発になる副交感神経の2つがあります。
緊張した時など交感神経系が優位になった時、アドレナリンやノルアドレナリンが多く分泌され、心拍が早まったり汗をかいたりといったいわゆる緊張状態を引き起こしてしまいます。
初めて挑戦することや目上の人物と話す時など、大なり小なり緊張するのは人間なら当然のことなのです。
しかし物事の考え方や捉え方によってどうしても「緊張しやすい人」と「緊張しにくい人」が出てきます。
特に緊張しやすい人の特徴は、
- 人の評価が気になる
- 過去に人前で大きな失敗を経験したことがある
- 真面目な性格
などが挙げられます。
日本人は生まれつき緊張しやすい?
「大勢の人の前での発表は緊張でうまく話せない」
「大事な大会の前にお腹が痛くなる」
「付き合ってない人とのデートでうまく話せない」
など多くの人が感じたことがあるであろう感覚は、一般的に緊張と呼ばれています。
特に日本人は生まれつき緊張しやすい気質があるという研究があることをご存知でしょうか。
緊張には、「S遺伝子」と「L遺伝子」が関わっています。
S遺伝子は心身の安定に必要なセロトニンの分泌に影響を及ぼしており、S遺伝子が強いほど緊張や不安になりやすいと言われています。
L遺伝子は逆に緊張しない遺伝子という性質があります。
S遺伝子とL遺伝子の割合で人間は、
- SS型:緊張や不安になりやすい
- SL型:緊張や不安は中程度
- LL型:緊張や不安に強い
という3つに分類されます。
研究により日本とアメリカの人のS遺伝子とL遺伝子の割合を調べた結果、日本はSS型とSL型に分類される人の割合がアメリカよりも多いことが分かりました。
この割合は世界でも最高水準に値することが、多くの研究で明らかにされています。
よって緊張は日本人にとって身近な気質であるといっても良いでしょう。
緊張による心身への影響
人は交感神経が副交感神経よりも活発になると、緊張状態になります。
緊張による身体面の影響
「心拍数の増加」「腹痛や下痢」「血圧の上昇」「痛みに過敏になる」など中枢神経・消化器系・循環器系・末梢神経系にわたってあらゆる症状がみられます。
緊張による精神面の影響
「焦り」「落ち着きがない」「イライラ」などといった症状が見られ、 これらは心身症と類似していることがわかっています。
緊張は短期的には集中力の向上などに役立ちますが、慢性的になると体調を崩し心の病気につながる可能性が高くなるため注意が必要です。
緊張をほぐす方法まとめ
緊張をコントロールする対処法などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
緊張は誰にでもある当たり前のことなので、まずは緊張する自分に嫌悪したり責めたりするのはやめましょう。
緊張を上手に利用すれば、集中力ややる気が増してパフォーマンスも高めることができるはずです。
緊張を楽しむ気持ちで、緊張をほぐす方法を色々と試してみてくださいね。