妊娠中のお腹の線は消えない?原因と正中線を消す5つの方法
妊娠してお腹が目立つようになってきた頃、臍の上下に茶色っぽく伸びる縦の線を発見して「これが妊娠線なの!?」と思った人はいませんか?
それは妊娠線とは別物の「正中線」と呼ばれるもので、病気ではなく妊娠中に起きる生理現象なのです。
それでは、正中線とは一体どういうものなのでしょうか。
「正中線は消えないの?」「一日も早く正中線を消したい!」と悩んでいる人も多いと思いますが、正中線は妊娠線と同様 正しいケアが大切です。
そこで今回は、正中線が出来る原因と正中線を消す5つの方法について解説します。
正中線の正しくケア方法を知り、キレイなお腹を取り戻しましょう。
目次
妊娠中のお腹に線ができる原因
臍を中心として縦に伸びた茶色や黒っぽい線は正中線と言いますが、「妊娠線が出来てしまった…」と勘違いしてショックを受ける妊婦さんは多いです。
だいたい5、6ヶ月頃の妊娠中期から正中線が出るケースは多いそうですが、妊娠線予防クリームはあるのに、正中線予防のクリームというのは聞いたことがありませんよね。
それもそのはず、実は正中線というのは妊婦さんに限らず老若男女問わず誰にでも存在するものなのです。
元々あるので予防することはできません。
「妊娠するまでお腹に正中線はなかった」と思うかもしれませんが、それは妊娠前まで正中線が目立っていなかっただけです。
正中線は、受精卵が細胞分裂を繰り返したことによってできた跡のようなものだと言われており、人間であれば男性であれ女性であれ誰しもがあります。
ちなみに身体の中心である鼻の下の溝も正中線の1つだと言われています。
ではお腹の正中線はなぜ妊娠中に目立つようになるのでしょうか?
それは「メラニン色素」が大きく関わっています。
妊娠すると、女性の身体は赤ちゃんのためにホルモンバランスが変化し、プロゲステロンと呼ばれるホルモンの分泌量が増えてメラニン色素も増えるのです。
妊娠して普段よりも多くのメラニン色素がつくられることで、もともとは薄かった正中線が目に見えて目立つようになるというわけです。
腹の正中線以外にも、妊娠するとシミやそばかすが増えたり、乳首やデリケートゾーンなどが黒ずんだりするのは同じ原因からだと言えます。
メラニンというとシミなどの悪いイメージが先行しますが、紫外線から皮膚を守るという大切な働きもしているため害だけではありません。
また正中線は出産後 半年~1年くらいで自然と薄れていく傾向にあるようです。
では正中線に対して、妊娠線というのはどういうものなのでしょうか。
妊娠線とは、妊娠中の急激な体重増加などで皮膚が肉割れしたことによってできてしまう線なので、誰にでもあるものではありません。
通常ならば、皮膚はコラーゲンやヒアルロン酸によりある程度保湿された状態や弾力を保っていますが、急激に皮膚が伸びると、その変化に皮膚内の細胞が追いつかず乾燥してお肌に亀裂が生じるのです。
よって妊娠線の予防には保湿力を高めるクリームが一般的となります。
妊娠線のできる場所はお腹だけでなく、胸や太もも、お尻などある程度お肉の付いた箇所が多いです。
赤紫色の細い筋ができていたら要注意で、白っぽくなる断裂跡になると出産した後も完全に消すことは難しいと言われています。
ニシン中のお腹の線を消す5つの方法
正中線を消すには、「ホルモンバランスを整えること」と「お肌のターンオーバーを正常化すること」が大切です。
どのような方法を実践すれば良いのかを紹介しますので参考にしてみてください。
専用クリームを塗る
正中線はメラニンが深く関わっているとお伝えしましたね。
「メラニンを追い出す=美白」と考えて、顔用の美白美容液やクリームを塗る人がいますが、顔とお腹では肌の厚みが違いますのでうまく浸透してくれません。
また妊娠線クリームを正中線に使っている人もいますが、妊娠線と正中線では行うべき対策が違います。
妊娠線は保湿して皮膚を柔らかくする対策なのに対して、正中線はメラニンを抑制する対策が必要なのです。
正中線を消すためには、正中線専用クリームがオススメです。
妊娠線クリームよりも断然 数が少ないですが、メラニン生成を抑制する成分などにより黒ずみに重点を置いてケアすることができます。
さらに葉酸には新陳代謝を促してくれる効果が高いと言われているため、葉酸配合のクリームを選ぶとより良いでしょう。
お腹にクリームを塗る際は、血行促進のために臍を中心にクルクルと円を描くようにマッサージしながら塗り込むと効果的です。
質の良い睡眠をとる
ホルモンバランスを整えたり、お肌のターンオーバーを正常化するためには、睡眠をたっぷりとることが大切です。
とはいっても、産後は赤ちゃんのお世話に追われて十分な睡眠もなかなかとれないのが現実でしょう。
しかし たまにはご主人に協力してもらい、少しの時間でもリラックスした中での睡眠がとれるようにすることが大事です。
たった3~4時間の睡眠であっても「あ~!よく寝た!」と思えるくらい眠れれば、お肌の調子も良くなります。
さらに心身の疲れを取ることを考えば、6~8時間の睡眠時間がベストでしょう。
質の良い睡眠をとるためのポイントは以下の通りです。
- 夕飯は寝る3~4時間前には済ませておく
- 寝る前の部屋は明るすぎないよう暗めに調整する
- 寝る直前にスマホやパソコン、テレビを見ない
- カフェインやアルコールを控える
- 43℃以上の熱いお風呂に入らない
- 軽いストレッチなどで体を動かす
- 寝る前にホットミルクやホットティーなど暖かい飲み物を飲む
- 日の就寝&起床時間をある程度同じにする など
寝付きが悪いという人には、綺麗な花や静かな湖、空気のよい高原などの情景を思い浮かべながら寝ることをオススメします。
安眠グッズなどもぜひ活用してみてください。
また質の高い睡眠には枕も重要です。
自分に合ったオーダーメイド枕を作ってくれるところもありますので、枕が合わないと感じている人は、これを機に自分に合った枕に変えるのも良いかもしれません。
質の良い睡眠をとり、 正中線を薄くしましょう。
生活リズムを整える
「育児で自分の時間が全くない」「初めての育児で悩みが尽きない」「日中子供と二人きりで誰とも話さない」などということは産後にはつきものですが、不規則な生活やストレスは自律神経が乱れてホルモンバランスも崩れます。
特にストレスは、メラニン細胞を刺激するホルモン(MSH)を増加させてしまいます。
規則正しい生活リズムを定着させ、ストレスを意識的に発散させるようにしましょう。
妊娠前から手軽にできる自分なりのストレス発散方法を見付けておくと良いかもしれません。
また日頃から体に無理をかけず適度な休息を取ったり、適度な運動をするなど、体の内側に磨きをかけることに意識を向けることは、正中線だけでなく健康を手に入れるために必要なことです。
元気な赤ちゃんを生み育てるためにも、ママ自身の健康維持には気を使っていきましょう。
ビタミンCを摂取する
正中線の色は、メラニンによる色素沈着により濃くなります。
通常メラニンは、垢となって排出されるため、色素沈着を引き起こしません。
しかしターンオーバーが乱れるとメラニンが排出されず、正中線の色もなかなか薄まらないのです。
メラニンの過剰生成を抑制するのに効果的なのが、ビタミンCを摂取することです。
ビタミンCには、メラニンの過剰生成を抑制すると共に、一度沈着してしまった色を薄くするという効果も期待できます。
しかもビタミンCは美肌には欠かせないコラーゲンを生成するのに必要不可欠な成分ですので、積極的に摂取しましょう。
ビタミンCを多く含む食材は、レモン、赤ピーマン、アセロラジュース 、さつまいも、ジャガイモなどがあります。
ビタミンCは熱に弱いという特性もあるので、できれば加熱せずに摂取してください。
お肌への効果を期待するのであれば1日300mg以上は摂取したいところですが、毎日300mg以上ものビタミンCを摂取し続けるのは至難の業です。
そこで食事だけでなく、サプリメントを上手く活用して摂取してみてはいかがでしょうか。
身体の内側からもターンオーバー正常化に働きかけ、正中線をキレイにしましょう。
レーザー治療をする
産後1年以上経過してもホルモンの影響で正中線が目立つ人も中にはいます。
「どうしても消したい!」という場合は、美容クリニックか皮膚科などでレーザー治療を受ける方法もあります。
レーザー治療は、正中線にレーザーを当てることで、皮膚のコラーゲンを活性化させ、お肌の再生を促進し、キレイな皮膚に生まれ変わらせるという治療となります。
ただし正中線のレーザー治療の費用は、健康保険が適用されず自費になりため、決して安いわけではありません。
目安として、1度のレーザー治療で正中線1cmあたり1~2万円前後です。
さらに1度のレーザー治療で正中線が完全に消えることは少ないため、何回か通う必要があります。
レーザー治療のメリットとデメリットをまとめました。
メリット
- 比較的早く効果が出やすく、納得がいくまで治療できる
- 濃い正中線でも薄くなる可能性が高い
- 皮膚科の場合、保険が適用されることもある
デメリット
- ムラになり消えない可能性がある
- 治療費が自己負担になるために高額
- 料金がクリニックによって違う
- 大手クリニックは予約を取るのが難しい
- 待ち時間が長いことがある など
レーザー治療は、出産後1年以上経っても正中線が薄くなる気配がなく、早く治したい場合は検討してみてもいいかもしれませんが、通院によるママの身体への負担を考えると家でのケアの方がオススメです。
女性ホルモンとメラニンの関係
女性ホルモンとメラニンの関係についてもう少し詳しく解説します。
女性は妊娠するとホルモンバランスが変化し、女性ホルモンの分泌量が増えます。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあり、そのホルモンバランスが崩れることでメラニン色素を生成してしまうのです。
メラニン色素の生成に大きく影響を与えるホルモンは、プロゲステロンとなります。
プロゲステロンは卵巣や副腎、脳下垂体などで生産され、基礎体温を上げたり、子宮内膜や周囲にある血管の血流量を上げて受精卵が着床しやすい状況を整える働きをします。
そして受精卵が着床した後は、出産後の授乳のために乳腺を発達させます。
その他に、プロゲステロンは、メラニン色素を生成するメラノサイトを刺激する働きもあり、プロゲステロンの分泌量が増えれば増えるほどメラニン色素が多く生成されてしまいます。
その結果、正中線がより濃くなってしまうというわけです。
ちなみにプロゲステロンの分泌量は、妊娠が成立しなかった場合は排卵後しばらくして減りますが、妊娠16週頃から胎盤からも分泌されるようになり、妊娠8~9カ月にはピークに達し、出産と同時に急速に低下していきます。
妊娠後期に正中線が現れて出産後に自然と消えるというママが多いのは、このようなメカニズムが原因なのです。
正中線で赤ちゃんの性別がわかる?
生まれてくる赤ちゃんの性別のジンクスは色々ありますよね。
例えば…
- お腹が前に突き出ていれば男の子、横に広がると女の子
- ママの顔がキツくなれば男の子、優しくなれば女の子
- 妊娠中に肉好きになると男の子、野菜や魚好きになると女の子 など
実は正中線にもそういったジンクスがあるのです。
それは「正中線がクッキリ出ていれば男の子、薄く目立たなければ女の子」というものです。
正中線はできて嬉しいものではありませんが、赤ちゃんを待つワクワクが増えるのは良いことですね。
ただこういったジンクスは科学的な根拠はないので、あくまで話のネタとして家族や友人の間で楽しんでください。
正中線の原因と消す方法まとめ
正中線ができる原因や消す方法などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
正中線は妊娠線とは異なり予防することが難しいですが、産後には自然と薄くなるものです。
妊娠中は心配になるかもしれませんが、多くの妊婦さんができるものなので出来るだけ気にせず、ケアを気長にしていきましょう。
早く治すためのポイントは、専用クリームや質の良い睡眠、規則正しい生活習慣などでホルモンバランスを整えたり、お肌のターンオーバーを促すことです。
代謝を改善させるケアを続けて正中線をキレイにしましょう。