不眠症の改善方法!原因や快眠するための予防法
日本では、約5人に1人が「眠れない」という悩みを抱えていると言われています。
しかし、不眠症という症状を自己判断するのは、睡眠に関する正確な情報が乏しくて難しい事も実情なのです。
そこで今回は、不眠症の原因や改善方法や、快眠するための予防法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
不眠症の症状は?
その人によって個人差があるので、一様に1日に何時間寝ていないと不眠症だとは言えません。
1日3時間の睡眠時間で元気な人もいれば、5時間の睡眠時間でも寝不足や不眠症だと思う人もいます。
この様に不眠症の定義として客観的な指標が無く、本人が感じる主観的な症状によって診断されるのが現状です。
具体的に不眠症の症状としては、本人に「充分な睡眠が取れていない」という感覚がある事と、「それによって日中に倦怠感を感じたり、集中力が低下して仕事や生活に支障をきたしている」という2つが主です。
よって、8時間ベッドに横になっていても、本人が上記の症状を感じていたら不眠症だと言われています。
自己判断のチェックリスト
不眠症はまずはセルフチェックして、自分が医師に相談するほど重症なのかを知ることも大切です。
下記のチェックリストは、「アテネ不眠尺度(AIS)」と呼ばれ世界保健機関(WHO)が作成した世界共通の不眠判定方法です。
自分に当てはまる項目(1ヶ月以内に週3回以上経験)についてセルフチェックをしてみて下さい。
Q1:寝つきは?(床についてから眠るまでに要する時間)
- ①いつも寝つきは良い
- ②いつもより少し時間がかかった
- ③いつもよりかなり時間がかかった
- ④いつもより非常に時間がかかった、あるいは全く眠れなかった
Q2:夜間、睡眠途中で目が覚める
- ①問題になるほどの事はなかった
- ②少し困る事がある
- ③かなり困っている
- ④深刻な状態、あるいは全く眠れなかった
Q3:希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れない
- ①その様なはなかった
- ②少し早かった
- ③かなり早かった
- ④非常に早かった、あるいは全く眠れなかった
Q4:総睡眠時間は?
- ①充分だ
- ②少し足りない
- ③かなり足りない
- ④全く足りない、あるいは全く眠れなかった
Q5:全体的な睡眠の質は?(睡眠時間の長さにかかわらない)
- ①満足している
- ②少し不満である
- ③かなり不満である
- ④.非常に不満である、あるいは全く眠れなかった
Q6:日中の気分は?
- ①いつも通り
- ②少し滅入った
- ③かなり滅入った
- ④非常に滅入った
Q7:日中の活動について(身体的および精神的)
- ①いつも通り
- ②少し低下した
- ③かなり低下した
- ④非常に低下した
Q8:日中の気分は?
- ①全くない
- ②少しある
- ③かなりある
- ④激しい
判定方法:
- ① 0点
- ② 1点
- ③ 2点
- ④ 3点
判定:0~3点⇒ 問題ありません。
4~5点⇒やや睡眠障害に疑いがあります。できれば医師に相談しましょう。
6点以上⇒睡眠障害の疑いがあります。医師に相談することをおすすめします。
寝つきが悪くなると、倦怠感や意欲低下、集中力低下や食欲低下など、身体にさまざまな不調が現れてます。
また、入眠困難な状態が長期間すると心身が適切な休息を取ることができずに、生活習慣病などのリスクも上がる危険性もあるので適応に対処することが大切です。
不眠症になる原因
不眠症は主に本能性不眠症と二次性不眠症に分かれます。
特に原因がない本能性不眠症は極めて少なく、不眠症のほとんどが何かしらの原因がある二次性不眠症になります。
つまり不眠症で悩む人は、自分の不眠の原因をしっかりと見極めて改善すると良いでしょう。
精神的な原因
不安になったり、緊張したり、落ち込んでいたり、イライラするなど精神的なストレスは不眠の主な原因だと言えます。
ストレスを受けると身体は常に緊張状態を保とうとするために、交感神経(緊張の神経)が興奮して副交感神経(リラックスの神経)が働かなくなることで、身体が睡眠モードに入りにくくなり眠れなかったり睡眠が浅くなってしまうのです。
同じ様に、うつ病や不安障害・双極性障害・統合失調症などの精神疾患でも、慢性的に精神的ストレスがかかっているため不眠症になる確率は高いといえます。
身体的原因
身体症状や身体疾患が原因で不眠症になる場合もあります
アレルギーなどによるかゆみや痛み、心不全や睡眠時無呼吸症候群などの息苦しさや頻尿による尿意などです。
これらの原因での不眠症は、身体症状の改善が必要になります。
アルコールや薬物
アルコールの摂取は寝つきは良くなるという人も多いのではないでしょうか?
アルコールは寝つきは改善されますが、睡眠中にアルコールの効果が切れると反動で離脱症状が生じるため中途覚醒の原因にもなります。
またニコチンやカフェインも覚醒作用があり睡眠の質を低下させてしまうので、就寝前のお酒やタバコ、コーヒーなどは控えた方が良いでしょう。
処方されている薬にも不眠の副作用がたくさんあります。
主に抗うつ剤・ステロイド・パーキンソン病治療薬・降圧剤・喘息の治療薬・下剤などです。
よって、他の病気の治療薬でも不眠の副作用がないか、医師に確認してみる必要があります。
生活習慣
室内にこもりきりになっていたり、不規則な生活習慣によって体内時計が狂ってしまう事も大きな原因といえます。
体内時計のリズムには、朝起きて太陽の光を浴びることによって生成される「セロトニン」という神経伝達物質が大きく関わっています。
「セロトニン」は日が暮れると「メラトニン」という睡眠を誘発するホルモンになって眠気が起こります。
そのため、「セロトニン」が分泌される時間が日によって違っていると眠くなる時間がずれてしまい、体内時計のリズムが乱れて夜眠れない不眠症になるのです。
不眠症の改善方法や予防
心身ともにリラックスして快眠をする上で、不眠症の改善方法や予防法をいくつかあげていきますのでぜひ参考にしてください。
頭を使う本は就寝前に読まない
眠る前には脳を鎮静させ、リラックスすることが大切です。
小説やビジネス本などの頭を使う本を熟読していると、覚醒系の神経伝達物質であるドーパミンが分泌され脳が活性化して眠れなくなってしまいます。
心が落ち着く内容の本や、興味のない眠くなる様な内容の本がおすすめです。
眠る直前の入浴や長風呂を避ける
入浴直後は温まった血液が全身をめぐるので、寝つきが悪くなってしまいます。
よって、眠る1時間前には入浴を済ませた方が良いでしょう。
また、長時間の入浴も交感神経が活発になりすぎてしまい、眠った後に目が覚めてしまう「中途覚醒」も起きやすくなるので不眠症の予防として避けた方が良いです。
いったん体温を上げる
夏場のクーラーで冷えた部屋に長時間いたり冬場の入浴が面倒でシャワーで済ませてしまうと、身体の深部体温が上がりません。
深部体温をいったん上げて下がるときに眠気が起こります。
よって、忙しくて入浴できない時には、手や足をお湯で温めたりホットミルクなどのホットドリンクを飲むと良いでしょう。
毎日同じ起床時間にする
前日に遅くまで起きていたり休日だからといって朝遅くまで寝ていると、体内時計のリズムが乱れて不眠症になってしまいます。
睡眠不足が続いて長く眠りたい休日であっても、日常の1時間~2時間程度のズレにとどめておくと体内時計のリズムが乱れにくくなります。
また、起床後の6時間ほどには、人の身体は休憩のサインを出して睡くなるので、休憩時間に15分~20分の仮眠をとる事も大切です。
忙しくても5分でも目をつぶり仮眠をとると、その後の仕事の効率も上がります。
運動をする
運動などで身体をたくさん動かすと、脳の活動が活発になり睡眠物質が生成され質の良い深い睡眠がとれる様になります。
寝室の環境
寝室の照明が明るくすぎると、メラトニンの分泌が抑制されて寝つきが悪くなるので照明を室内灯くらいの明るさにしましょう。
できれば静かな環境にすると良いのですが、住宅事情により室外がうるさい時には、自分の好きな音楽を小さな音量で聴いたりして気分を落ち着かせると寝つきが良くなります。
不眠症の改善や法まとめとして
寝つきが悪い状態が続いて、どんな予防をしても改善されない場合は、医師に相談してみることも必要です。
人生の2割~3割の時間は睡眠と言われています。
どうせならば、毎日快眠をとってスッキリした気分で日中を過ごしたいですね。